![]() |
●症 状 狭心症は、その原因や発作の誘因によって分類されます。心筋を養っている血管である冠状動脈の動脈硬化が原因となり、労作(運動など)をしたときに発作がおこるタイプは、労作性狭心症といいます。 労作性狭心症の患者さんでは、冠状動脈が動脈硬化をおこしているため、心筋に十分な血液が流れない状態になっているのです。それでも、安静時は心筋が必要とする血液量が少ないので、発作をおこすことはありませんが、階段を昇るなど、運動をした時に心筋が必要とする血液量が増えると、血液の供給不足によって発作がおこります。 |
||
![]() |
もう一つは、冠状動脈の一時的な痙攣(スパズム)で血液が一時的に途絶して血液不足が生じるタイプで、安静時に発作がおこることから、安静時狭心症と呼ばれます。 発作は労作時ではなく、安静時におこりますが、患者さんによって発作のおこる時間帯が異なります。 安静時狭心症の中でも、早朝に強い発作のおこるタイプは異型狭心症と呼ばれます。 実際の狭心症の患者さんでは、これら、2つのタイプの狭心症に分けることができ、治療法も少し違ってきます。 |
||
![]() |
●検 査 心臓の検査に心電図検査があります。心電図とは、心臓の小さな起電力を増幅し、波形にして診断する検査法です。 この検査で、不整脈など刺激伝導の異常、心筋虚血の状態や壊死をおこしているかどうか、などを見ることが出来ます。 |
||
![]() |
労作性狭心症の患者さんに対して、安静時に心電図検査をしても、通常は正常と判断され、労作時におこる狭心症の発作は見つけることが出来ません。そこで、運動しながら心電図検査を行います。これを運動負荷試験と呼びます。運動の方法は、二階段の踏み台を上り下りする(マスターの運動負荷試験)、固定された自転車をこぐ(エルゴメーター)、ベルトコンベアの上を歩く(トレッドミル)、などがあります。 また、安静時におこる発作を捕らえるためには、小型の心電計を使って、24時間心電図が記録できるホルター心電図を用います。 |
||
![]() |
さらに、冠状動脈の状態を確認するために、冠状動脈造影が行われます。これは、カテーテルと呼ばれる管を大動脈の根元まではこび、冠状動脈に造影剤を注入して観察する方法です。この方法は、患者さんの負担にはなりますが、冠状動脈の状態を目で見ることができます。冠状動脈の痙攣(スパズム)を誘発する薬剤を用いることで安静時狭心症の診断も可能ですが、最近は薬剤負荷は危険を伴うので、あまり実施されません。 | ||
![]() |
●治 療 発作時 狭心症の発作がおきた場合は、ニトログリセリンを舌下に投与します。ニトログリセリンは、速やかに狭くなった冠状動脈を拡張し、心臓の負担を軽減し、発作を寛解します。 ニトログリセリンは揮発しやすく、口腔内に投与すると粘膜から吸収されますので、速やかに効果を発現します。また、口腔内でも、舌下は食物の通過などによる刺激にさらされていないため、粘膜が薄く、より吸収、効果発現が速いことが知られています。これが、投与部位が舌下となっている理由です。 |
||
| ●薬物による発作予防 β遮断薬 交感神経は心臓の収縮力や心拍数を上昇させる働きがあります。β遮断薬は、この交感神経を抑制する薬剤で、心臓の収縮力、心拍数を低下させることで心臓の負担を軽減します。労作性狭心症に有効な薬剤です。β遮断薬は様々なタイプがあり、患者さんの合併症などによって、使い分けます。 ただし、血管を収縮させることがありますので、冠状動脈の痙攣(スパズム)を伴う安静時狭心症には、最初から投与しません。 Ca拮抗薬 血管を拡張し、血圧を低下させるとともに、心臓の負担を軽減する薬剤です。特に、冠状動脈のスパズムの予防に有効とされ、安静時狭心症に多く用いられます。現在では、長時間作用型のCa拮抗薬が主に使用されるようになっています。 硝酸薬 全身の主に静脈系の血管を拡張して、心臓の負担を軽減するとともに、冠状動脈のスパズムを予防する作用があります。労作性狭心症、安静時狭心症いずれのタイプの狭心症に対しても、発作の寛解だけでなく、発作の予防の面でも有効です。ニトログリセリンや硝酸イソソルビドは、経皮からの吸収も良好なことから、長時間作用型の経口剤だけでなく、経皮吸収薬も発作予防のために用いられます。 |
|||
![]() |
●冠状動脈血行再建術 カテーテルと呼ばれる細い管を冠状動脈の近くまで挿入し、そこから風船(バルーン)を用いて狭くなった血管を拡張する治療法です。 手術に比べ、患者さんの負担が軽いという長所がありますが、手技にともない、冠状動脈が損傷する可能性もあります。また、拡張した部分が再度狭くなる、再狭窄も大きな問題です。 再狭窄の予防などを目的として、拡張させた部分にメッシュ(網目)の筒のようなもの(ステント)を固定する方法もあります。最近では、このステントを用いる方法が非常に多くなりつつあります。 さらに、冠状動脈の動脈硬化部分を削り取る方法なども試みられています。 |
||
![]() |
●ACバイパス手術 冠状動脈の太い部分が狭窄している場合や、狭窄が何ヵ所もある場合には、大動脈と冠状動脈をバイパスする手術が行われます。バイパスに用いられる血管は、患者さん自身の足の静脈です。 最近では、胸の内側に伸びている動脈(内胸動脈)などを用いて、直接冠状動脈にバイパスする方法も多くなってきました。 |
||
| |
|||
| ページトップへ | |||