経皮吸収型製剤の製剤技術力

経皮吸収型製剤の製剤技術力

経皮吸収型製剤とは何か

医薬品には、錠剤やカプセル剤などの経口剤、注射剤、点眼剤、貼付剤などさまざまな形態(剤形)が存在します。これらの医薬品は患者さんの病気の症状に応じた最適な方法により、有効成分を全身又は特定の患部に送り届けています。
貼付剤の剤形をしたもののなかで、貼付部位の皮膚や筋肉への局所的な作用ではなく、有効成分を皮膚から血液中に吸収させて全身に送り届けることを目的とした医薬品があります。これを経皮吸収型製剤といいます。
多くの経口剤は、体内に吸収された異物を代謝する器官である肝臓を経て全身へと送り出されますが、経皮吸収型製剤は肝臓を経ることなく薬を全身へ送り届けることが可能です。また、消化管や消化管内の食物の影響を受けませんので、薬物の安定した血漿中濃度を期待できるというメリットがあります。
トーアエイヨーでは「フランドルテープ」(有効成分:硝酸イソソルビド)と「ビソノテープ」(有効成分:ビソプロロール)の二つの経皮吸収型製剤を製造販売しています。

試作品の分析を行っている場面です。

実験データの解析

新薬研究の実験を行っています。

実験サンプルの分析

当社の培ってきた技術

1984年3月に発売された「フランドルテープ」には、持続的な薬物放出を可能にする結晶レジボアシステムと皮膚刺激の軽減を目的とした角質保護システム(Skin Protection System)®という二つの特徴的な製剤システムが採用されています。
結晶レジボアシステムは、薬物分子を粘着剤層に溶解させると共に薬物結晶を貯留層として粘着剤層中に分散・共存させ、皮膚に吸収された分子を順次結晶から補給することによって、粘着剤と接触している皮膚表面の薬物濃度を長時間一定に保つように設計された製剤システムです。
また、角質保護システムは粘着剤の柔軟性を高めて皮膚に対するフィット感を向上させ、皮膚刺激の要因とされる角質剥離の抑制を可能にした製剤システムです。このシステムを採用することにより、いったん剥がしたテープを貼り直すことも可能となりました。
2013年9月に発売された「ビソノテープ」は、有効成分の特性を考慮して「フランドルテープ」とは異なる製剤システムを採用しました。当社の長年にわたる経皮吸収型製剤の研究開発で培ったノウハウを駆使し、有効成分の皮膚透過性を高め、24時間安定した血中濃度を維持すること、粘着特性を最適化し、皮膚刺激が少なく剥がれにくくすること、安定した品質を担保することの三つの課題に着目し、それぞれの課題の解決を図りました。さまざまな検討を積み重ねた末、課題を全てクリアした製品を創り出すことに成功し、「ビソノテープ」が誕生しました。

今後の改良へ向けて

経皮吸収型製剤は海外を含めても十数種類の有効成分しか製品化されておらず、その多くは欧米で先行して開発・製品化されています。一方で、「フランドルテープ」と「ビソノテープ」は世界に先駆けて日本で製品化に成功しました。
経皮吸収型製剤を使用される患者さんや医療関係者の皆さんからいただくご意見・ご要望は、よりよい製品に育てていく上で貴重な情報であり、常に注視しています。「フランドルテープ」は皆さまの声に応える形で改良を重ねた結果、発売から30年以上が経過した現在においても代表的な経皮吸収型製剤のひとつとして高い評価をいただいています。一方で、発売からまだ日が浅い「ビソノテープ」についても、現在、皆さまから多くのご意見が寄せられています。経皮吸収型製剤の研究は、発売と同時に終わりではなく、改めて改良の研究が始まります。「フランドルテープ」と同様に、「ビソノテープ」がよりよい製品となるよう、これからも研究に努めて参ります。

トーアエイヨーは国内初の経皮吸収型製剤を開発した製薬メーカーです。

日本初の貼る心臓病薬「フランドルテープ」